企業SNSは捨てたもんじゃない:SNSビジネスガイド

斉藤 徹,的場 大輔,藤井 達人,川井 拓也,猪川 知紀,宇佐美 進典,在賀 耕平,宮澤 弦,伊藤 靖
インプレスジャパン
発売日:2006-06-29
企業における情報共有・コミュニケーションの思想や考え方、今後の動きが、自分の経験から導いたものとそんなにずれてないと思い一安心した一冊です。

共感する部分と使えそうなアイデアをピックアップしました。

■信頼できる仲間からの情報は浸透力が高い
企業文化や緊急性はないが重要な情報の定着にはうってつけ。
企業情報は一方的に発信され、発信者はそれで通じていると安心しているが、実は全然情報が浸透していないのが実態。
SNSをうまく使って、社内情報もうまく口コミさせれば浸透力はあがる。

■コミュニティの運営には仕掛けが必要
あからさまな事務局のやらせ的なものにはユーザは反応しない。
人は感動によってのみ動く。だから、事務局側の熱意や思い姿勢がしっかり伝わっていないと動かない。
→相手を動かすときには慎重にアクションを考えないと帰って敵を作ってしまいます。不自然にコメントを書きすぎるのも注意が必要かも。

■囲い込みからお立ち台へ
タイミングさえあえば、きっかけさえあればお立ち台にあがってみようかなという雰囲気がある。内輪のコミュニケーション、特定の人だけコメントしかないと、新規ユーザが入りにくくなる。
→今特定の人だけが日記をして、特定の人がいつもコメントをしているのは、かえってはいりにくくしているのかも。

■ユーザを気持ちよく左側告知文を
企業主観の告知では、ユーザは動かない。ユーザ視点でのキャッチーな告知でユーザの行動につなげる。

■情報共有によりコミュニケーションに変化がおき、企業風土が醸成される
企業風土という根幹をゆるぎないものにするしかけとしてSNSは使える。

■Know-whoによる暗黙知の検索精度向上
暗黙知は人にはりついている。社員のプロフィール、興味領域、特異領域を共有することで暗黙知の検索を容易にさせる。

■21世紀型組織:ランドウォーリアー
情報を統制によりコントロールしていた階層型組織から、情報を均一化し、必要に応じて集団をつくるアメーバ型組織の時代がやってくる。
イラク戦争で実際に使われたのは驚き)

■活性化しなかったSNSに息を吹き込んだのは社長
マネジメントの巻き込みがないと、成功は難しい。彼ら自らが自身のビジョンを語るとともに、仕掛けの必要性を訴えないと社員は動かない。

■システムを入れただけで望んだ結果になった会社はない
強力な事務局、マネジメントの巻き込み、現場に耳を傾けて運用設計というような泥臭い作業が不可欠。
→そうなんですよねえ。時には席の横に行って操作説明したり、時には怒鳴られたり、一緒にご飯食べにいったり、ほんとに何でもやらないとついてきてくれないんですよね。

■導入検討は安易だが社長はそれを理解しない
担当者は、おもしろそうだからと安易にいれるが、そもそも使ったことがない社長をそのような呼びかけで巻き込んでも理解されない。マネジメント目線での導入効果の理解が必要。

パレートの法則はここでもしかり
社員の意識が劇的に変わり、全員が熱心に情報を出し始めるなどと過度な期待は持ってはいけない。せいぜい7:3。それを見越した設計が大切。例え書き込まなくても見ているユーザがしっかりいればよし。
→日記を全員が書くのは無理。それよりは習慣的に見たくなるコンテンツを用意することが大切。

■個人情報の問題
・内部漏洩・紛失や盗難が全体の7割を占める。

<アイデア
・トピック名称の頭にしるしをつけて分類(自由記入、集計中、リードオンリー)
サガン鳥栖SNSは公式キャラクターが招待などをしてくれる
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