自己資本比率が高い企業をなぜファンドが狙うのか:1秒で財務諸表を

1秒で財務諸表を読む方法 仕事に使える会計知識が身に付く本

世の中の企業・サービスを事例としながら、会計数値の持つ意味を分かりやすく説明しています。
世の中のニュースを会計視点で分析しているところが面白い。
中でも、自己資本比率、直接・間接原価の考え方や意味の理解を深めることができました。
花王カネボウ買収をWACCの低減というねらいで行っていると本書は分析しています。
そこから、自己資本比率の違いがWACCを変化させ、それが企業に与えるがどのようなものかが分かりました。
この視点を得たことにより、ファンドが自己資本比率が高い企業を買収ターゲットにする理由、レバレッジドバイアウト(LBO)という手法がどのように利回りを高めるかについても理解できました。
また、売上げと費用をできる限り同時に計上すべきという観点から、間接原価法を財務会計が取り入れているということも知りました。管理会計上は間接原価法を用いる方が一般的ですが、それらの違い、メリット・デメリットをあらためて考えさせられました。
会計に関する読み物は退屈なものが多いですが、これは非常にお勧めです。